ストーブで寒さしのぐ避難住民「家屋が心配」 岩手・大船渡(産経新聞)

 昭和35年のチリ地震津波で死者・行方不明者53人を出した岩手県大船渡市では28日午前、大津波警報の発令を受けて、避難指示を出して住民に高台の公民館や学校に避難するよう、防災無線などで繰り返し呼びかけた。避難サイレンが鳴り響く中、大船渡港では8つの防潮堤を消防団らが午前11時半、すべて閉鎖。停泊していた漁船などは早朝から沖合に出て、津波に備えた。

 高台にある大船渡小学校には正午時点で、近隣集落から約20人が避難。体育館に4台のストーブが用意されたほか、毛布なども持ち込まれ住民に配られた。時折雪がちらつくくもり模様のなか、避難住民らは毛布にくるまるなどして寒さをしのぎ、不安な表情でラジオなどに耳を傾けた。

 家族と避難してきた同市浜町の清水春さん(87)は「早い段階からいろいろ情報が入ってきたので、余裕をもって避難できた。それでも自宅から持ち出せない荷物も多く、被害がないか心配だ」と不安そうな表情を浮かべた。

 近隣には高齢者のひとり暮らし世帯も多いという。浜町内会長の千葉隆美さん(60)は「町内を見回ってきたが逃げ遅れなどはない。隣近所で呼びかけ合って避難する訓練をしてきたのが活きた。あとは家屋被害や逃げる際の交通事故などが心配」と語った。

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